━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  %V%WEX68をインストールしてみよう                            編集部:あいはら ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  基本的に、EX68のインストールは、HTMLファイルできちんとマニュアルが提供 されているのでそれほど悩まなくて済むはずだ。無論、ある程度X68kにも WINDOWSにも慣れている事が前提だが。そんなワケで、WINDOWS、X68kいずれかを サッパリしらない若い人向け、または電脳倶楽部読者向けに、補足がてら書いて みることにした。まるっきり、初心者向けパソコン雑誌に書いている気分でやっ ているので、ご了承いただきたい。  まず、EX68をインストールして使っていく上で、必要なものを挙げておこう。 ●WINDOWS(95,98,NT)の動作するAT互換機  スピードの速いマシンの方が快適だが、300〜400MHzクラスのマシンでも、 かなり快適なはず。究極のスピードマシンでなくてもよいので、1台用意する。  マック用のWINDOWSエミュレータで動作するかどうかは、チェックしていない が、マック持ちでそういう環境を持っている人は試してみてもらってもいいだろ う。もっともPowerPC用のX68エミュレータなどもぼちぼち出てきているようなの で、無理にバーチャルなPC環境から、バーチャルなX68kを起動しなくてもよいと 思われる。 ●インターネットに接続する環境  これがなければ、今後のアップデートにも全く対応できないし、とにかく、こ れなしでコンピュータを使おう、などと考えてはいけない。情報を交換したりす るのも、もはや、インターネット抜きには考えられない時代だ。ネットに繋がな いという事は、つまるところ自らを情報弱者にしている事でしかない。確かに、 ネットなんか使わなくても生きていける、かもしれないし、イヤなものも見なく てすむかもしれない。が、それでは自分をいつまでもカタにはめているだけだ。  読者さんの幾人かからは、今後も当面はインターネットにつなぐ予定はない、 というお葉書も返ってきているが、もはや、ネットをおそれたり、軽んじたりし ていてよい時代ではなくなってしまっている事だけは認識してもらいたい。無論、 コストを掛けられないという人もいるだろうが、接続に必要な料金も、地域格差 はあるものの下がりつつある。今後数年の内に、詳しい情報、データ量のかさむ 情報もかなり高速低コストで得ることも不可能ではなくなる、と認識するべきだ ろう。必要な情報を必要なときに能動的に得られない人は、相手にされなくなっ てしまうだけだ。洪水の中から情報を取捨選択する力はどうしても求められるだ ろう。ならば、今の内から鍛えておくのは無駄な事ではない、と思われる。 ●解凍ツール  EX68をインストールする上で、WINDOWSにインストールしておかなければなら ないソフトがある。それは、圧縮ファイルを展開するツールだ。EX68のアーカイ ブは、LHAで圧縮してあるものと、ZIP圧縮してあるものがある。どこかで両方を 展開できる解凍ツールを入手しなければならない。インターネットに接続する環 境のある人は、ダウンロード専門のサイト、www.vector.co.jpなり、 www.impress.co.jpなりにアクセスして、フリーの解凍ツールを拾ってくればよ い。また、CD-ROM付きWINDOWS雑誌にも、たいていなんらかの解凍ツールは添付 されているので、それを使うのもよいだろう。だいたい、lhasaというのが定番 になっている。LZHファイルも、ZIPファイルも展開可能だし、デフォルトの展開 先ディレクトリも選べるようになっていて、ダウンロードファイルだけをあらか じめどこか特定のディレクトリにおいておけば、便利だろう。これらの使い方は、 詳述しないが、添付ドキュメントを読めばなんとかなるだろう。 ●X68kのファイルをWINDOWSに移動する手段  これがないと、システムもアプリケーションもゲームも動かない、のは自明だ ろう。まず考えられる手段の第一は、SCSIのMO。これは、X68k用に買ったものな ら、WINDOWSでも使えるだろうし、容量もそこそこ確保できる。ただ、WINDOWSマ シンでは、SCSIが標準でない事が多いので、AdaptecのSCSIボードなどを買って こないといけない。多少の出費は覚悟しなくはならないが、MOはドライブを持っ ている人も多いだろうから、これが一番現実的だろう。メディアのフォーマット は、IBMスタンダードMOのフォーマットがよいだろう。これなら、susie.xで、 X68でも認識できる。メディア単価からいって、230MBの安い製品でかまわないだ ろう。WINDOWSの場合、バックアップメディアは、CD-Rや、HDDなどにした方がよ いので、あまり大きな容量のMOでなくてよいはずだ。また、ノートPCの場合も、 結構安価なSCSIカード(PCMCIA)が売られているので、ノートの場合は、そちら も利用可能だろう。  次に考えられるのは、特にノートPCの場合、PCMCIA、いわゆる、PCカードを使っ た転送方法だ。スマートメディアや、コンパクトフラッシュなどは、生のメディ アのまま使うのでなく、ATAカード型のアダプタにメディアを入れた状態で使う。 これらは、普通にデジカメなんかでフォーマットされていると、通常のIDEのハ ードディスクとして認識される、つまりFDISKタイプ(リムーバブルでないHDD) としてフォーマットされている。この場合、SUSIEのバージョンによっては、 X68kで認識しないこともあるので、電脳倶楽部に掲載された改造版を使うとよい。  また、X68k側でFIMなどを使い、IBMスタンダードMOタイプのフォーマットをし ていた場合は、WINDOWSの方でコントロールパネル−システム−デバイスマネー ジャタブ−ディスクドライブの項で、GENERIC IDE DISK TYPE80のプロパティを 変更して、「リムーバブル」をチェックする事で一応使えるようになる。  また、X68k側には、SCSIで接続するPCカードリーダを用意する必要がある。  X68k側でこれらのメディアにアクセスする際には、Vtwentyoneを導入しておき、 WINDOWSのファイル名はエイリアス(8+3文字)で返すようにしておく。また、 X68kのファイルをPCカードに書き出す際には、単純にコピーするだけでいいのだ が、8+3文字のファイル名にし、小文字ではなく大文字にしておいた方がよい だろう。  以上が、まず最低限必要な環境である。これからすべて用意する場合にはこれ らを参考にして準備しよう。  今回は、電脳倶楽部のCD-ROMから、EX68関連のファイルや、Humanなどのディ スクイメージをWINDOWS上のハードディスクに展開する、ところから入ろう。手 取り足取りだが、我慢してほしい。  電脳倶楽部は、ISO9660のごく普通のCD-ROMなので、そのまま、WINDOWSのCD- ROMドライブでディスクとして認識するし、ファイルにもアクセスできる。ここ まではいいかな。まさか、電脳倶楽部のCD-ROMがオリジナルのフォーマットだ、 とか思っている人はいないと思うが、わからなければディスクを実際に挿入して みればよいのだ。ウィルスにでも感染していなければ、CD-ROMディスクを入れた からといってPCは壊れたりはしない。トライアンドエラーの精神で行こう。  さて、ファイルは、エクスプローラからツリーをたどってもいいし、別のファ イラーがあればそれを使ってもいい。CD-ROMの、TOOLS以下に収録してあるので 見つけよう。  EX68xxxx.lzh(xxxxにはバージョンが入っている)を見つけたらダブルクリッ クすれば、lhasaなどがインストールされていれば、解凍することができる。こ の場合、アーカイブ名と同じ名前のディレクトリをつくるなどオプションをつけ ておけば、EX68xxxxディレクトリができ、解凍したファイルがその下に収められ る。現在配布されているシャープのソフトのイメージファイルは、ファイルノー ド(8文字+3文字の8文字目)の最後に、Iがついているのでこれを、解凍す る。これもlhasaで行える。すると、使用許諾テキストと、FDのイメージができ あがる。イメージファイルや、必要な他のファイルは、EX68.EXEの存在するディ レクトリにコピーしてやる。ここらでまとめておくと、必要なファイルは、EX68 のアーカイブ、起動ディスクのFDイメージ、それから、IPLROM.datという、 X68のROMだ。フォントはX68kのROMフォントを持ってきてもいいのだが、ファイ ルが存在しなければWINDOWSのフォントに置き換えてくれるようになっているの で、必ず必要なわけでもないだろう。また、EX68と同時に配布されている、 X68sound.dll(OPM,PCMのエミュレーション用)や、windrv.sys(windowsのドライ ブにアクセスできるようにするためのドライバ)なども展開して、EX68のディレ クトリの下に配置する。 ◎小さいウィンドウ TYPE=CLI:JPEGED S_WIN.JPG  さて、今度は、起動するか試してみよう。一応、上記の通りやれば、とりあえ ず起動は可能なはずだ。2つウィンドウが出現するが、小さい方が、FDドライブ や各種LEDを視覚化して表示するものだ。ここの、no diskというところをクリッ クすると、ファイル選択ウィンドウが出現する。ここで、必要な起動ディ スクイメージを選択すると、FDドライブにディスクを挿入した事になって、 Human68kが起動する。と、ここまではいいだろうか。まず最初の起動時は、 FSHARPで配布されている、Human68k3.02のシステムディスクを挿入しよう(前号 で転載したものでもよい)。  ところでデフォルトのEX68では、キーボードが、101キーボードにセットされ ている。これは、普通のX68kの配列とは異なっているので、ややとまどうかもし れない。その場合には、添付されている日本語106キーボード用の設定ファイル (AT2X106.KEY)をリネームして使おう。  ひと通り起動できたら、環境を作るために、SASIのハードディスクイメージファ イルを作成してみよう。一応、WINDOWSの空きディスク容量がたくさん(100Mバ イトとか、500Mバイトとか)ある事を確認しておこう。  コマンドラインからSWITCH.xを起動する。メニューで、HD_MAXというのがある ので、ここに1以上の数を入れる。2台使いたければ2だ。SASIなので、1つのディ スクは、10〜40Mバイトの容量しかないので、WINDOWSでたくさん空きディスクが ある人は多めに書いてもいいだろう。で、SWITCH.Xの変更をSRAMに登録して終了、 そしてリセットを掛ける。 ◎フォーマット中の画面 TYPE=CLI:JPEGED -k FORMAT.JPG  さて、今度は、FDが挿入されているものとして再起動するので、今度は、 FORMAT.Xを起動しハードディスクを選択する。後は、HDDが接続されているもの と見なし、実際にフォーマットする。フォーマットの仕方は、念のため書くが、 ドライブの数値番号を選ぶと、まず管理領域が壊れていますと、出るので装置初 期化を行う。10、20、40Mの選択肢が出るので、40Mにセットして実行。 これはつまり物理フォーマットの事だ。さて、それがすんだら、領域確保(つま り論理フォーマット)を行う。ちまちま分割してもしようがないので、40Mバ イトで領域確保する。いろいろとパラメータ設定がメニューからできるが、あま り気にしなくてもよい。最低システム転送をするかどうか、は設定しよう。これ で、待つこと数分、りっぱなSASIHDD(イメージファイル)ができあがる。あと はリセットすれば、使えるようになるし、環境づくりも開始できるようになる。  Human68kの起動ディスクをまるごとHDDにコピーする。これは、COPYALLを使っ てやっておく。また、SWITCH.xで、起動をSTDにして、FDをイジェクトしておけ ば、今度は、HDDから起動するようになる。ここまでくれば、あとは、色々とイ ンストールして環境を整えていくことになる。X68kの実機の環境を持ってきても よいし、実機のない人も、インターネットや電脳倶楽部のCDなどから持ってくる。 これは、後述する、windrv.sysを組み込んだ環境なら、WINDOWSのドライブにア クセスできるようになるので、特殊なドライバなどはほとんど必要ないだろう。 <キー設定について>  X68kに近いのは、日本語106キーボードなので、そちらに変更してみることを お勧めする。101キーボードの場合、コロンなどもマイナスキーの隣とか、なに かと不便になる(そっちに慣れている人はいいのだが)。これは、AT2X.Key と いうファイルで設定するようになっている。中身はテキストなので、メモ帳など でも書き換えは可能だが、AT2X106.KEYを使った方が早いだろう。自分の好きな ように配置を変える事もできるが、特殊キーの設定などが面倒な点も多い。 ◎オプション画面 TYPE=CLI:JPEGED DEBUG.JPG  EX68のoptionメニューからデバッグを選び、そこで実際のATのキーコードを取 得したりして、マッチさせていくようにする。ただ、WINDOWSの特殊キーについ ては、スキャンコードがとれないキーもある。WINDOWS側でスキャンコードを自 由に入れ替えるようなソフト(ALTIMEなど)を持っていると、便利かもしれない (ただ、かえって混乱するかもな〜)。 <config.sysの設定とwindrv.sys>  さて、FDのイメージファイルを自分で作るX68k側の環境はあるだろうか。電脳 倶楽部で使っているFDIMG.Xも実は、2HDイメージファイルコンパチのファイルを 作成するものだ。もちろん、他に便利なイメージ作成ツールもあるのだが、とり あえず今回は手近にあるのでこれを使ってみよう。  先ほど解凍したwindrv.sysは、Human68kのデバイスドライバとして動作するも ので、WINDOWSの実ドライブやネットワークドライブをEX68のドライブとして扱 い、アクセスするためのものだ。 Human68kのドライバだから、EX68の起動用のシステムディスクイメージ上にコピ ーしておかなければ使えないのだ。このあたりは、本来、実機がないとどうしよ うもない部分なのだが、windrv.sysのディスクイメージも添付されているので、 これを起動用システムディスクにコピーし、config.sysの中で、 DEVICE = \windrv.sys 行を付け加えればいいだろう。\以下の部分は、コピーしたパスに適宜読み換え ること。  windrv.sysを導入すると、LANにつながっている他のマシンのファイルや、自 分のWINDOWSのドライブに直接アクセスできるようになるので、ものすごく便利 だ。ぜひ使ってみてほしい。例えば電脳倶楽部などでも、CD-ROMドライブが繋がっ ていれば(デスクトップ機なら全部付いているよね)、CD-ROMをカレントにして、 EX68EXEC.BATを実行すれば、電脳倶楽部が起動してしまう、という風になってい るのだ。  SASIのドライブは沢山つくったとしても、40M×16台、640Mバイト。足りなけ れば、空いているWINDOWSのドライブの方にデータを置く、なんてこともできる。  実機で使えるLANボードがネプチューンのみ、という状況では、結構X68kをネッ トワークにつなげない人も多いことだろうが、EX68をちゃんとセットアップして 一度ネットワークにつなげると、非常に快適だ。  それに、windrv.sysを導入すると、自分の環境などのバックアップMO(もちろ ん、IBM-MOフォーマットされていないと読めないが)などを、イメージファイル を作ることなしにコピーできるようになる。つまり、AT互換機にMOドライブを接 続しておき、EX68のドライブとして扱うことで、ファイルコピーなども通常のマ シン間コピーと同じ感覚で楽々になるし、環境をまるごと持ってくることだって サクサクできるのだ。  さて、最低限の環境設定は、このような感じでおしまいなのだが、XCや、SX- WINDOWなどをHDDにインストールするとか、いろいろな環境設定は、マニュアル をゲットしてもらった方が確実だろう。またSX-WINDOWのインストーラは、SASI ドライブに対応していなかったから、インストーラなしで個別にコピーした上で 構築してやる必要があるだろう。 (EOF)